think outside the box

たわいもない斜めの視点

【本から読み解く自己遍歴】②

【本から読み解く自己遍歴】① - think outside the box


本を読む最大の理由。それは疑問だ。

なぜ〜なんだろう?どうして〜なんだろう?

世の中には知らない事が溢れている。知的好奇心は日に日に生まれ満たせと囁いてくる。


自分の行動と思考に対して、人の言動と発言に対して、ネットニュースやツイッターに対して、電車内の人や暴れる新成人に対して、成功者と貧困者、モテと非モテ、自由と安定、本音と建て前etc...

数えだしたらキリがないくらい世の中は疑問で溢れている。

この頃からノンフィクションのルポ系を好んで読むようになった。
貧困や裏社会と言った若干ダークサイドよりのものが多かった気がする。

実際に貧困地帯にも行ってみたりしていた。
日本の中で貧困というと三大ドヤ街が有名だと思う。

西成、山谷、寿町。

それぞれ大阪、東京、横浜だが全てを回ってみた。
山谷に関しては近年はそれほど治安も悪くなく、歩いていてもそれほど危険な感じはしなかったが西成、寿町に関しては独特の空気感を感じた。

言葉で表現するのは難しい部分もあるが体感として明らかに行ってみるとその区域に入ったときに空気が変わる。
これは歌舞伎町にいったりした時にも感じる感覚なのだが、なんの仕切りもドアもないのに境界線を跨いだような感覚なのだ。
とは言えすごく危険な訳でもないけど、普通に暮らしていたら味わえない空気な事は間違いない。

この頃は自分でも思うけど知りたい欲求が暴走しすぎていた。
その年のクリスマスに東京で一番クリスマスしていない町はどこなのか知りたくなった。
いろいろ思案した結果【巣鴨】という結果にいたりその時の彼女を連れてクリスマスに巣鴨に向かった。

今思えば完全にイカれているし彼女に心から謝りたい。

予想通り巣鴨はクリスマスのクの字もなく、イルミネーションのイの字もなかった。
目の前で転んだ御老人を周りに歩いていた人達が一斉に助けに行くという世にも優しい世界を目の当たりにしながら巣鴨を後にした。


後日、当時の彼女は僕にこう言った、、

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こ、殺されるかと思った、、

僕の訳わからない欲求に連れ回してそれでも文句一つ言わず着いて来てくれた彼女には感謝しかなく、ほんとにいい子だったなと思う。
その時の彼女が今の嫁ですなんてオチも特になくその後お別れしてしまったけど学ぶ事の多かった子でした。

         ※

その辺りから読書欲がピークを迎え、ビジネス、ノンフィクション、心理学、哲学、サイエンスetc...
常に5冊くらいを並行で読んでいてさらには漫画も読み漁っていた。
友達に飲みに誘われても読みたい本があったらそっちを優先していたし休みの日に満喫にこもってキングダムを1日で1巻から脳のシナプスがもう辞めてくれと頼んでくるまで読んでいた。

僕も人の子なので得た智識を誰かに話したい。
読んで興奮を覚えた部分に関しては翌日に人に話したくなった。
でも、分野がコアになればなるほど興味のある人の絶対数が減っていくの間違いなく、昨日読んだアジアの貧困の話しや人工知能の発展の話しを目をキラキラさせながら聞いてくれる神のような人などそう多くない。
職場の後輩を捕まえてはわけわからんはなしを聞かせ続けるという暴挙にでて、なんとか欲求をコントロールしていた。
しかし、アウトプットが圧倒的にインプットに追い付いてこない。
摂取と消化は一体で次第に消化不良に陥っていく。
驕りや慢心もセットになりただのあたまでっかちが出来上がっていく。
感覚で生きてきたはずなのに理論が先行して本心を偽るようになっていく。
理想と現実的の乖離が始まりかけていた。
理想は高い。智識もある。でも現実は違う。
この頃からだんだん本が読めなくなり始めた。
集中力が長続きしなくなり言葉が入ってこない。

仕事もこの頃フリーランスに転身して前よりも確実に時間の余裕は生まれていた。
時間はあるのに本は読めない。
人間というのは不思議なもので、時間に縛られていた頃は自由を求めるけど自由過ぎると縛られたくなったりする。
フリーランスは全てが自分の裁量で決められる。
怠けようと思えばいくらでも怠けられるし、やろうと思えば24時間働ける。

生活のリズムが狂いに狂っていった。

前の日に飲み過ぎたら午後出勤にしてたし、早く帰れば21時くらいに寝てしまってることもあった。

言葉にすると自由をおおかしている風に見えるけど身体がついてこれなくなっていた。

365日中調子のいい日を数える方が簡単なくらいに、、、

でも仕事は必ずやってくる。テンションが上がらない。でもパフォーマンスは求められる。

朝からモンスターとキューピーコーワを飲み、昼ごはん食べると異常な眠さと怠さが襲ってくるから食べないようにして、血糖値の低下を甘い缶コーヒーで誤魔化して仕事終わりにビールを流し込む。

自分で文字起こししてても相当やばい毎日だったなと思う。

夜は低血糖症状が出ていて手は震えるし、頭が回らなくなってレジ閉めの計算は何回やっても合わなかった。

さらには坐骨神経痛を発症して家から駅まで5分の距離を激痛で休み休みじゃないと歩けなくなり15分かけて歩くという状態になっていた。
側から見た姿はウォーキングデット 。苦悶の表情を浮かべ片足を引きずっている。
一度職場のスタッフが通勤途中に横切って行っ時の関わりたくない感満載の顔は忘れない。


程なくして坐骨神経痛は治ったが、流石にこの状況に焦りを感じ始めていた。


まだこの先何十年も人生は続いていく。仕事も遊びもまだまだパフォーマンスを下げる事はできないし下げたくない。

その為には何が必要なのか?

それは健康だ。


       ※

この辺りから健康関連の本に興味を持つようになった。
身体は日々食べたもので作られている。親から貰った既存の状態を自分でアップデートしていかなくてはいけない。

正直今まで健康というものに気を使ったことがなかった。自炊はほぼしないし、運動もしない。毎日酒も飲むし、タバコも吸う。
規則正しい生活を送ることがカッコ悪いとさえ思っていた。

当時の元カノにずっと言われていた。

「ほんと顔色悪いよね、、」

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体の状態というのはホルモンと関係してメンタルにも影響を及ぼす事もわかってきた。

今までは外部からの刺激で自分を鼓舞してなんとかモチベを保とうとしていた。それは言葉であったり人であったり、情報の中からそれを得ようとしていた。もちろんそれも重要な事には変わりないけど、本来は内側から込み上げてくるものなのだ。
その体内の燃料が枯渇していると情報という予備電源だけではすぐに走り出せなくなってしまう。

人生というマラソンを走り抜けるには資本となる体の構築が必要不可欠なんだという事を改めて知ることになった。
        
         ※

そしてそこから派生して今はマインドフルネス関連の本を読み漁っている。


         ※


何かに行き詰まった時や答えが見つからない時は必ず本が道を示してくれる。
僕は言葉が大好きで言葉に励まされ救われている。
人生で起きる出来事や問題は新しい知識を得るためのチャンスなのかも知れない。

今日も知的好奇心は満たせと囁いてくる。


  

さて、次はなに読もうかな。