think outside the box

たわいもない斜めの視点

音楽チャンプから考える《超一流になるのは才能か?努力か?》

最近ハマってよく見てしまう《音楽チャンプ》という番組がある。
中高生の素人の子達が歌の上手さを競う番組で、毎週チャンプが決定し5周連続で勝ち抜けるかを競い合う。(視聴率が悪い為もうすぐ打ち切りらしい、すげー感動するのに)

この番組を観ていると、いろんな事を考える。
基本的に出ている子はみんな上手い。それゃすごい下手なら自分で応募しないだろうし、番組側もある程度の水準を満たしていないと出演させないとは思う。
各々の出演者が歌い始める前に紹介VTRが入るが、みんな小さい頃から歌手になりたくて練習を重ねていて一日何時間も歌う事に時間を費やしている。
歳も大体同じ世代なので練習時間はそれほど大差がないように思える。

しかし、実際歌を聴いているとテクニックの有無はよくわからないがスッとテレビ画面に吸い込まれて集中して観てしまう子と、途中でスマホをいじりだしたくなってしまう子がいる。
ある1人の子に関しては始まりから釘付けになりちょびっと泣いてしまった。

この違いはなんなんだろう?

超一流になるのは才能か努力か?

超一流になるのは才能か努力か?


こういう議題を話す時に割と二手に別れるのが、才能なのか努力なのかと言う問い。
この本【超一流になるのは才能か努力か?】は色んな実験や研究のデータベースからその問いについての様々な答えを書いてくれている。

どちらかというと才能は努力で作れると言う内容なのだが、よくある自己啓発的な本の、努力は必ず報われるみたいな精神論ではなく、例えば数字の羅列を何桁まで暗記できるのかといった実験結果や暗記方法とその時の脳や体の変化など、しっかりとしたエビデンスの元書かれている。

冒頭の内容で絶対音感などは訓練で作れると言う所ですでに驚いたが、すごいのは人間の適応性である。
例えば何十年も前のオリンピックの記録と現代の記録は歴然とした差が生まれている。
ただ漠然とひたすらに訓練していた頃と、一つの種目で記録を出すためにその部分に特化し研究された訓練方法を実践していくことによって格段に身体能力が向上していく。

色んな能力の向上方法についてが書かれているが、主として限界的練習が挙げられている。
まずは目的をしっかり決める。
自分のコンフォートゾーン(限界)を少しだけはみ出す。
心的イメージをしっかり持つ。
適切なコーチングの元練習する。

スポーツに限らずビジネスや趣味の世界においても目的を設定し、自分に少しだけ負荷をかけるのは能力向上において不可欠な要素だったりする。

僕はどちらかと言えば運命論者で、人は自分の器が決まっていて、その自分の器の中で最大限努力していくの正しい努力だと思っている。
しかし、この本では人間の能力は伸ばそうと思えば思うだけ伸びるという事を示唆してくれている。
僕は世界の名だたる著名人が言ってるような大きな大義名分、世界の人々の暮らしを良くしたいとか、20世紀を代表する会社を作るとか、ディズニーを倒すとか、そんな志しは持っていないけど、ブログをもっと面白く書きたいとか本業のスキルを上げたいとか、女の子をもっと楽しませる会話を身に付けたいぐらいは思っている。
そこには必ず訓練が必要で、トライとエラーを繰り返しながら原因と結果をフィードバックしていかなければならないのだ。

世の中で確固たる地位を築くには当然身体能力の高さ、IQの高さだけではないだろうし、そこには運や生まれや環境など複雑なものが絡み合っていると思う。
でもどんな状況にしろ、どの範囲にしろ自分の持っている能力を伸ばしていくという行為は成長を実感できる自分自身のノンフィクションだ。


そして、そっちの方が人生は楽しい。